ミネソタ州で黒人男性が警察官に銃で撃たれて死亡しました。各地で抗議デモが起きています。
事件が起きたのは、11日日曜日、ミネアポリス近郊のブルックリンセンターです。警察官が、交通違反でダンテ・ライトさんが運転していた車を止めたところ、ライトさんに逮捕状が出ていることが分かり、拘束しようとしました。逮捕状は、銃の不法所持と警察から逃走した罪に問われていたライトさんが今月裁判所に出廷しなかったため出されたものでした。ライトさんは、警察の指示に従わず、車内に戻ろうとしたことから警察官が発砲。地元警察は、警察官はスタンガンの一種であるテーザー銃を使おうとし、誤って銃を 発砲したと説明しています。ライトさんは、そのまま車を走らせましたが、他の車に衝突して停車。胸に受けた銃撃による死亡が確認されました。
事件のあった地域では抗議デモが続き、一部で暴動や略奪がありました。ミネアポリスやその近郊に夜間外出禁止令が出されましたが、それに違反するなどして、15日木曜日までに、およそ140人が逮捕されました。抗議デモは、オレゴン州ポートランドやニューヨーク市など各地に広がっています。
発砲した警察官は、勤続26年の白人女性で、13日火曜日に辞職しました。また、地元警察の署長も同日、辞職しています。14日水曜日、検察は発砲した警察官を第2級過失致死の罪で起訴しました。ライトさん家族の弁護士は「なぜテーザー銃ではなく拳銃を手にしていると気づかなかったのでしょうか。 起訴は被害者家族にとって朗報です。」と語りました。この写真では、元警察官の被告が装備しているテーザー銃は黄色です。ブルックリンセンター警察では、取り違えを避けるために拳銃を利き手側、テーザー銃を反対側に装備する 規定を設けています。警察が主張するようにこれが取り違えであるのであれば、なぜそのような間違えが起きたのか、疑問の声が上がっています。